認知行動療法

CBT

認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy:CBT)とは、
うつ病や不安症などをはじめ幅広い精神疾患の改善について
科学的に効果が確認されている心理療法です。

Cognitive

Behavoral

Therapy / Training

認知とは、思考や記憶、判断、知識、予感、イメージなど頭の中での内面的な活動のことを指します。行動とは、言動や振る舞い、過ごし方など表面的な活動を表します。認知行動療法では、こうした日々の認知や行動のとり方を工夫することを通して、精神疾患の症状の改善を目指します。認知行動療法は精神疾患の治療の一部としてだけでなく、日々経験する日常的なストレス対処や人間関係の問題解決の工夫としても、就労場面や教育場面などで広く活用されています。

個人変容と環境調整

PERSONAL CHANGE AND
ENVIRONMENTAL ADJUSTMENT

認知行動療法では、ある状況に対する個人の反応を認知・行動・感情・身体の4つの側面に分けて整理します。そして、生活上の体験や困りごとを、環境(状況)と個人の反応(認知・行動・感情・身体)の連鎖やパターンとして捉えます。反応を認知・行動・感情・身体の4側面から捉えることで、自分自身に起こっていることを広い視野で客観的に理解・受容し、症状や問題が持続している様子を的確につかむことができます。

環境と個人の反応

困りごとに関連する要素を整理すると、つぎは困りごとのいつものパターンを紐解きます。
認知行動療法の中で困りごとのいつものパターンを見極めるとき、大きく2つのまとめ方があります。 1つは困りごとの中心に認知があると仮定するまとめ方、もう1つは困りごとの中心に行動があると仮定するまとめ方です。

認知を中心にまとめる/行動を中心にまとめる

困りごとのいつものパターンをまとめることができたら、そのパターンから抜け出す工夫を模索します。とくに認知と行動を起点にして心身の健康や対人関係、社会生活のバランスを整える工夫(技法)を試しに実践・継続します。
認知行動療法では、対象となる疾患に応じて、効果を最大限に引き出すために活用する技法の種類や順番が定まっている場合もあります。

認知的技法

認知的技法

  • 認知再構成法
  • マインドフルネス
  • 行動実験
  • 自律訓練法
  • 注意転換法など
行動的技法

行動的技法

  • エクスポージャー(曝露療法)
  • 行動活性化
  • スキル訓練
  • 問題解決訓練
  • 呼吸法
  • 漸進的筋弛緩法など

これらの一連のながれを繰り返すことで柔軟性(幅広さ)と機能性(役立ちやすさ)の高い対処法を身につけ、症状改善や問題解決、目標達成を図ります。

機能性/選択の柔軟性/種類の柔軟性

認知行動療法のカウンセリングやプログラムでは、主に個人にできる考え方や過ごし方の工夫を身につけ活用することを重視します。 しかしながら、認知行動療法では問題は個人だけにあるのではなく、あくまで『個人と環境の間』にある、つまり問題状況は個人と環境のズレによって起こり、解消されないまま持続していると捉えます。そのため、生活環境や職場環境に対する個人の工夫を模索すると同時に、個人が身を置く現在の環境の面で工夫できること、調整できる部分も模索します。

あいち保健管理センター第2の支援では、プログラムやカウンセリングを通して利用者様個人の工夫の幅や柔軟性を広げるお手伝いをさせていただくことに加え、状況に応じて職場やご家族の方などと連絡調整を行ない、環境調整のお手伝いもさせていただいています。

自己受容や自己変容/環境調整

その他の心理療法

OTHER

あいち保健管理センター第2では認知行動療法以外の心理療法に基づく支援も提供しています。傾聴や共感的なかかわりを中心にその人自身に本来的に備わっている心身のエネルギーを最大限に引き出す来談者中心療法や、うつ病や双極症の改善効果が確認されている対人関係(社会リズム)療法、強みなどのポジティブな側面に注目することで生活の質の向上を図るウェルビーイング療法やストレングスアプローチなど。利用者様の多様なニーズにお応えできるように支援サービスを展開しています。